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1989年2月17日 (金)

アムステルダム~オランダ~

ベルリンからの夜行列車で、早朝アムステルダムに着く。

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その足で、駅のインフォメーションでA.C.O
(アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団-現ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)
のチケットを買おうとするが、soldoutとのこと。

しかたなくホテルだけ案内してもらうと、
なかなかよいホテルを紹介してもらう。
更にはコンセルトヘボウのチケットの購入方法まで教えてもらい
たいへん助かる。

昼食をホテル向かいの店でとり、その後ゴッホ美術館へ。
昨年ローマで見たものとダブっていたが、
ミレー併設の展覧会もやっており
ゴッホ、ミレー双方が同じ対象を描いた絵が
数点ありその比較はなかなか楽しめた。

またデッサンも多く、彼のタッチを知るにつけ面白く、
油絵以上に人物描写が先鋭で素晴らしい。

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18:30頃にコンサートホール(コンセルトヘボウ)に行く。

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ホール脇に並びその晩のACOの予約券を入手、
19:45にキャンセルチケットを何とか手に入れることができた。

列に並んでいる際に、同じく並んでいる老婦人に親切にしてもらい、
YO・YO・MAの人気について知らされる。
あわせてホールの自慢もされてしまい、
世界的なこのホールでの今晩の演奏がますます楽しみになる。

そして、チケットを受け取りいよいよホール内に入ると、
さすがにすごい装飾、舞台は映像で観るよりいくぶん小さく思えるが
なんと言っても天井が高い!また床は木である。

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音楽が始まると、
その響きは柔らかく、音のヌケもよい。
広々とした気持ちのよい音が鳴り響く。
評判通りのすばらしい音である。
ウィーンのムジークフェラインとコンツェルトハウスのよい部分を
あわせたような音であり、
ここで聴くと音楽が音楽として鳴り、
ホールも演奏に参加しているかのようである。
ベルリンフィルハーモニーの音が霞むほど。

演目
ハイドン:チェロ協奏曲
ブルックナー:交響曲第6番
指揮:H/ブロムシュテッド
チェロ:ヨーヨー・マ
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

YO・YO・MAは人気があるだけあって、
技術は申し分なく完璧!
音もしっかり、全体とのバランスも素晴らしく、
演奏後指揮者のブロムシュテッドが
抱きつくのもわかるほど、素敵な演奏であった。

その後はブロムシュテッド指揮、
ACOによるブルックナーの交響曲第6番。
この素晴らしいホールでのブルックナーは
まさしく絶品、空前絶後の体験。

音の彫像が目前で築かれていく様であり、
他のホールではけっして味わえないブルックナーを満喫した。
帰り際、振向くとホールが輝いて見えた。

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アムステルダムの夜景を眺めつつホテルに戻る。

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音楽を全身で浴びた幸福感に満たされて床に着く。

1989年2月15日 (水)

ベルリン~西ドイツ~

東西ドイツに分かれていた当時、
西ベルリンに列車で入るには
共産圏である東ドイツ国内を半日かかりで通過して入国した。
深夜列車で西ベルリン入りする途中、
何度か車掌や入国管理官に起こされ、
寒い車内でなかなか寝付けなかったことを覚えている。

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貧乏かつ苦労してもベルリンに行きたかった理由は
ベルリンのフィルハーモニーホールで
ベルリンフィルを聴くこと!

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ホールのデザインは今は斬新さはないが、音響はよい。
音が上から降ってくる感じながら、
耳が慣れてくると音が耳に直接飛び込んでくる。
ベルリンフィルの見事なアンサンブルも冷たさが強調され
高音は少々厭味でカラヤンの演奏には合っているかもしれないが
自分の好みのホールではなかった。


演目は
ベートーヴェン 交響曲第9番
指揮 カルロ・マリア・ジュリーニ
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
 ユリア・ヴァラディ、マルガリータ・ツィンメルマン、
 ライナー・ゴールドベルク、ジークフリード・ローレンツ

この時の録音と翌年の録音を用いたCDが発売されているが、
3楽章については、かなり忠実な録音に思う。

ぶっちゃけ、ベートーヴェンの演奏で
あのような艶めかしい心地よさ
つややかな音の波間のきらめきを
堪能できるとは予想もしていなかった。

ジュリーニは1楽章をそれほどテンポも遅くなく振り
後半、徐々に遅めになってはいくが
リズミカルな音つくりで全く飽きさせないし、弛むこともない。
指揮の姿は棒にメリハリはあるが、身体は少し揺らす程度で
淡々としている。

特につややかな音は3楽章が白眉。
ベートーヴェンの音楽、特に第九はどうしても人間万歳的、
近代の幕開け的なイメージがつきまとってしまうのだが
この3楽章の演奏を聴き、
ジュリーニのいつくしむように音が搾り出される音つくりもあいまって
従来の押し付けがましく思っていたベートーヴェン像が
くずれさってしまった。
こんな第九は日本では二度と聴けないかと思うと悲しい。

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ユリア・ヴァラディの声量は凄まじかった!合唱団とバトル状態。


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そのジュリーニも2005年6月にお亡くなりなってしまいました。


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「カンタービレ」と言う音楽の本質を表す言葉の意味を
教わった忘れえぬ一夜。

Music ベートーヴェン:交響曲第9番

アーティスト:ジュリーニ(カルロ・マリア),ヴァラディ(ユリア),ネス(ヤルト・ヴァン),ルイス(キース),エステス(サイモン),エルンスト・ゼンフ合唱団
販売元:ユニバーサルクラシック
発売日:2004/01/21
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